「最後に熟睡したのはいつ?」改めて睡眠が大切さを考えてみる

HEALTH

私達の体や心を、正常に保つために「睡眠」は欠かせませんよね。しかし、忙しい現代社会では、自分の時間を楽しめるのが夜だけ、なんて人も少なくありません。寝る間を惜しんでネットサーフィンを楽しんだり、映画やドラマをみたり、友人と飲み明かしたり…。生きる上では、そんな息抜きの時間も大切ですが、長い目で見ると「睡眠時間」も非常に大切なものなのです。そこで今回は、重要であることが当たり前の「睡眠」について、改めて考えてみました。

そもそも「睡眠」って何?

の動きが止まり、外的刺激に対する反応が低下して意識も失われているが、簡単に目覚める状態のことをこう呼んでいる。ヒトは通常は昼間に活動し、夜間に睡眠をとる。動物では夜間に活動し、昼間に睡眠をとるものも多い

Wikipediaより
Molly
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改めて言葉で定義すると、こんな感じなんですね。

また、古代では「睡眠」仮死状態とみなしていてので、「死」に近いものだったそう。睡眠時に、魂は体から離脱して彷徨い、その時の経験を夢と解釈していたのです。

良質な「睡眠」が必要なわけ

Molly
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もちろん睡眠が体に必要なことは、当たり前の常識ですよね。でも、その漠然としたイメージを明確にしたい…。

 疲れた体を回復させる

「疲れ」って何?

日頃感じる「疲れ」の大本は、ストレス、労働や運動などの心身に受けるダメージ。他にも、UVやウイルスなどによって、体に負担がかかることも要因に。そして、そのダメージが作り出すのが、活性酸素です。「活性酸素」は、細胞が血液で運ばれてくる栄養や酸素を燃やし、活動エネルギーを作る時にも生じます。そして、通常は体に備わった抗酸化力「活性酸素」を処理しますが、過度なストレスで「活性酸素」が大量発生すると、処理が追いつかずに体へ影響。その際、細胞は傷付き、栄養がスムーズに燃えず、エネルギーが低下「活性酸素」で細胞が傷付くと老廃物が生じ、体内にファティーグ・ファクター(FF)と呼ばれるタンパク質が増加します。この「FF」の増加が脳に「疲労」を感じさせるのです。

Molly
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疲れを感じるのにも、体は多くのプロセスを踏んでいるのですね…。とにかく、体の受けたダメージが「活性酸素」を生み出し、「活性酸素」が細胞を傷付け、体のエネルギーを低下させ、疲労因子の「FF」を増加させ、「疲れ」を感じさせる。まとめてもなんだか複雑。

「睡眠」が「疲れ」を修復

「睡眠」が疲労を回復する仕組みにも、疲労因子の「FF」が関係しています。活動時は、「FF 」が出続けるため、疲労回復因子の「ファティーグ・リカバー(FR)」の修復が追いつかないのですが、睡眠時は、「FR」が傷ついた細胞の数を上回る時間となり、疲労を回復することができます。よって、激しい活動をしても、良質な睡眠がとれていれば「FR」が十分に分泌され、疲労は回復します。睡眠不足だと「FR」の分泌不足で、体を回復できないために、疲労感が残るのです。

「脳の疲れ」は「睡眠」でしか回復できない

大人の脳を構成している神経細胞は、分裂を終え、成長しきった細胞。他の体の器官や皮膚の様に、細胞分裂で新陳代謝をして、新しく生まれ変わることはできません。一部の神経細胞は、大人になってからも新陳代謝できることが分かっていますが、ほとんどの神経細胞には不可能。よって、脳の疲れの慢性化は、脳の老化を招くことに直結してしまいます。高齢になっても認知機能を保つには、良質な睡眠で疲労をしっかり回復させ、脳の早急な老化を防ぐことが大切です。

 記憶を整理・定着させる

ご存知の方も多いと思いますが「睡眠」には、ノンレム睡眠とレム睡眠の2種類が存在します。ここで使われている「レム」とは Rapid Eye Movement の頭文字です。記憶に深く関わっていることなので、ちょっと詳しく見てみましょう。

レム睡眠

レム睡眠は、眼球が素早く運動している間の睡眠。体は眠っているけど脳は起きている、という状態です。体の筋肉は動きませんが、夢を見るのはこの時。体が眠っているため、脳は体に指令を送る必要が無く、脳だけが活発に機能します。それにより、記憶や感情の情報を整理、脳に定着、不要な情報を消去、などの作業を効率よく遂行。また、記憶学習の途中で睡眠をとる実験を行ったところ、レム睡眠が多い人の方が、記憶していた割合も多かった、という結果も出ています。

ノンレム睡眠

ノンレム睡眠は、入眠直後の眼球の運動が無い睡眠。体を休ませるレム睡眠に対して、脳を休ませる睡眠と言えます。そのためか、寝返りをうつのもレム睡眠時ではなく、ノンレム睡眠時だそうです。また、ノンレム睡眠の中にも段階があり、浅い睡眠から深い睡眠まで、4段階ほどに分けられます。1番深い眠りは1~2ステージで訪れ、睡眠時間を7時間と仮定し、その内の前半3時間でノンレム睡眠に達すれば、脳も体も休めることができます。さらにステージ3〜4では、緩やかな脳波のデルタ波が増え、脳の疲労を回復。ノンレム睡眠中には成長ホルモンも多く分泌されるので、疲労回復、細胞の修復が活発に行われます

ノンレム睡眠とレム睡眠の波が記憶を整理

睡眠中は、ノンレム睡眠とレム睡眠がペアとなり、一定の「睡眠サイクル(ウルトラディアンリズム)」を繰り返します。個人差はありますが、サイクルは基本的に90分から120分間です。前半の2サイクルは、ノンレム睡眠が長く、レム睡眠は数十秒間のみ。後半の2サイクルになると、30分ほどレム睡眠が続きます。このレム睡眠は、「いつ、どこで、何があったか」という「エピソード記憶 (episodic memory)」の定着や、記憶をスムーズに思い出せるように整理します。またレム睡眠は、集中して勉強に取り組むと、学んだ知識を脳に定着させるために延長することも。一方、最初の深いノンレム睡眠は、新しい記憶や情報を、脳に定着させるために準備。そして後半のノンレム睡眠は、運動などの体の使い方や、問題の解き方を思い出す、という長期記憶の一種「手続き記憶(Procedural memory)」の定着や、様々な記憶を関連付けます。

Molly
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寝る前の暗記が覚えやすいのは、レム睡眠のおかげだった!

 食欲を抑制する

まず食欲は、2つのホルモンによって正常に働きます。それは、食欲を増幅させる「グレリン」と、食欲を抑制する「レプチン」です。この2つのホルモンは睡眠の影響を受けやすく、睡眠不足だと「グレリン」が増加して、「レプチン」が減少することが分かっています。さらに、睡眠不足で疲労感が回復しないと、運動不足にも陥りがちに。異常な食欲を止めるには、良質な睡眠で「レプチン」を確保し、適度な運動を心がけるのが最良ですね。肥満もしっかり予防できますよ。

Molly
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食欲の増加サインが増えて、ストップサインが減るのだから、食欲が異常になるのは当たり前ですよね。

 免疫力を上げる

まず、免疫力には「自然免疫」「獲得免疫」が存在します。「自然免疫」は体に生まれつきの備わっている免疫システムで、「獲得免疫」は体がウイルスなどの異物の攻撃法を、後天的に覚えて獲得した免疫システム。そして、6〜7時間ほどのしっかりした睡眠は、「自然免疫」が向上させることが分かっています。一方で、2〜3日程の短期間の徹夜や睡眠不足は、むしろ免疫力を向上させるという結果もあります。どうやら、夜間に鎮まるはずの交感神経が興奮し、ノルアドレナリンなど神経伝達物質が増加するからので、細胞を活性化させるからの様です。

Molly
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慢性的な睡眠不足でなければ大丈夫だし、むしろ良い効果もあるみたい…。

良質な「睡眠」をとるには

Molly
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寝付きが悪かったり、眠りが浅かったり…時間は確保できても、ぐっすり眠るのが難しいこともありますよね。でも、案外簡単なことで、不眠の悩みが解決できるかもしれません!

 睡眠前の食事に気を付けてみる

食後にすぐ寝てしまうと、眠りが浅くなり、疲れが抜けにくくなるのが一般的。食事をした体は、睡眠よりも消化活動を優先するため、内臓が休む時間が短くなってしまうのです。一方で、空腹のままだと、人によっては胃がゴロゴロして眠れないことも。どうしても就寝前に食事を取りたい場合には、消化に良いものを少量食べる様にしてみましょう。中でも、タンパク質の豊富な軽食が良いとされ、就寝の約30分前に30gのタンパク質を摂取した人は、翌朝の空腹感が和らぐという研究結果も出ています。しかし、専門家の一般的な意見では、寝る前の最低2時間は時間は何も食べない方がいい、というのが常識。

Molly
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タンパク質が豊富な食べ物として、カッテージチーズがおすすめだそうです。そして、150kcal前後に抑えて食べるのが理想的。

 体の深部体温を冷ます

深部体温は、体内の脳や内臓などの体温のこと。活動中は高く、下がりはじめると睡眠モードに入ります。「眠くなると体が温かくなる」という現象は、深部体温を下げるための手足からの放熱なのです。特に、夜間でも気温の高い夏は、深部体温が下がりにくいので対策が必要。効率良く深部体温を下げるには、適度な運動、ぬるま湯に入浴、手のひらを冷やす、などの方法が有効ですまた、夏野菜のトマトやキュウリを冷やして食べるのも効果的です。

 入浴は就寝の1〜2時間前に済ませる

体温には、皮膚温度と深部体温があり、就寝時には2つの温度差を2℃以内に縮めることが重要。そのためには、一先ず皮膚温度と深部体温を上げて、放熱できる入浴が効果的な手段です。また、入浴で上昇した深部体温は、元に戻るまでに1〜2時間を要するので、体温が下がる時間を考慮して入浴を済ませましょう。元に戻った体温は、そのまま下降していくのでゆっくりと眠気が訪れます。副交感神経が優位になるので、眠りに入りやすくなりますよ。入浴方法は、40℃前後の湯船に、10〜15分程度の半身浴が理想的で、炭酸泉などは効果がより向上します。就寝までに時間が無い場合は、シャワーで入浴を済ませ、体温の上昇を避けるのが吉。ただし、就寝直前に42℃以上のお風呂に浸かると、交感神経が優位になってしまうので気を付けましょう。

 心地良い睡眠空間を作る

良質な睡眠には、リラックスして寛げる良質な寝室が必要。寝具の色を内装と統一して、癒し空間を演出したり、寝具の肌触りにこだわってみるのも有効です。寝具には、シルクやコットンなどの汗をよく吸収し、衛生的に保てるものが良いでしょう。色も、青や緑などの「アースカラー」を選ぶと、癒しの効果が増幅します。また、ものが多すぎる寝室はNG。なるべく情報量が少なく、シンプルで心の落ち着くレイアウトを心がけるのが重要です。カーテンは、ぐっすり眠るためにと「遮光カーテン」を選ぶ方もいますが、朝に日差しが差し込む寝室の方が目覚めは良いですよ。

 睡眠を誘う音楽や音を取り入れる

入眠時に、心地良い音楽を流すことも、良質な睡眠を取るのに効果的。脳がリラックス状態になると、「α波」という脳波が発生します。そして、心地良い音楽には、「α波」の発生を促す効果があることが証明されているのです。

ヒーリング音楽

中でも、波や森などの自然音が入ったは、「α波」が出やすいことで有名。自然界の音には、「1/fゆらぎ」と呼ばれる周波数に反比例するゆらぎが含まれています。「1/fゆらぎ」は体をリラックスさせ、α波の発生につながると言われています。また、「ホワイトノイズ」と呼ばれる、雨や風や滝などのやや強力な睡眠誘導音も効果的。あらゆる雑音を、音でかき消してくれるので、熟睡することができますよ。

オルゴールの音

オルゴールの音程やリズムは、心身のバランスを整える働きがあると言われています。また、オルゴールが持つ周波数は幅広く、五感を活性化させて血行の促進も促してくれるのです。自律神経も整い、リラックス効果抜群。睡眠の質の向上だけでなく、肩こり、腰痛、頭痛などの不調を改善する効果も持っています。

4000Hz以上の音楽

快眠には、人間の耳が最も敏感に感じる4000Hz以上の高周波を含む音楽も効果的。ゆったりとしてシンプルなリズム感が、脳をリラックスさせ、「α波」を発生させやすいのです。代表的なのは、モーツァルトの楽曲。モーツァルトの曲には4000Hzの周波数が多く含まれているので、脳にたくさんの聴覚エネルギーを送り、リラックスをもたらす副交感神経が優位になります。モーツァルトの曲で、ストレスホルモンの「コルチゾール」が減少したという実験結果もあります。他にも、528Hzの音も効果的。528Hzの音は、自律神経に深く関係している腸を刺激し、副交感神経を優位にするのです。

インストゥルメンタル 

歌詞の無い「インストゥルメンタル 」の音楽は、脳をリラックスモードに誘導。言葉の無い音楽に集中するので、自然と瞑想の様な「マインドフルネス」状態になります。歌詞がある音楽を聴きたい場合には、歌詞が頭に入ってこない異国の音楽や、洋楽をチョイスすると良いでしょう。

 照明を工夫してみる

快適な睡眠空間には、リラックスできる適度な照明があると理想的。夕方以降、部屋を暖色系の光にすると、くつろぎモードに入ることができます。照度を落とすほど、睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌されるので、帰宅後は照明を落として過ごし、就寝の前にはさらに照明を暗くしていくと眠気が高まります。また、真っ暗闇だと、人間は本能的に不安を感じてしまうので、ぼんやりした明かりをつけるのが、最もよく眠れる環境です

 靴下はぬぐ

寒い冬場などは、就寝時に靴下を履く人も少なく無いですよね。しかし、冷え性でも就寝中の靴下は、睡眠の質に悪影響を及ぼす可能性が高いのです。人は睡眠時に、皮膚から放熱して体温調節をしますが、靴下はその放熱を妨げてしまいかねません。蒸れて汗をかくことで、余計に冷えてしまうことも。また、締め付けのある靴下だと、血行が悪こなってしまうこともあります。基本的には、就寝時までは靴下やスリッパで足を冷やさず、就寝時は裸足で眠るのが快眠の鍵

 早起きを心がけてみる

実は、就寝時間が遅くなってしまっても、朝にしっかりと日光を浴びることで、早起き型に変われます。夜間に、明るい照明で長時間作業をすることをやめるだけで、夜型生活を回避できるのです。また、朝早く起きることで、夜にしっかりと眠気が訪れる様になり、不眠も軽減。一方で、大切なのは睡眠時間では無く、睡眠の質なので、時間を気にする必要はないと言う意見もあります。日常生活で、夜型から朝型に変わりたいと思っているのなら、「遅寝早起き」がおすすめです。

 寝起きに太陽光を浴びる

寝起きに、太陽光を浴びる効果は絶大。太陽を直接見なくても日光を浴びるだけで、睡眠ホルモンの「メラトニン」の分泌が抑制され、眠気が覚めるのです。効果が高いのは朝6時~8時の時間帯と言われています。また「メラトニン」は、朝日を浴びてから14~16時間ほど後に分泌され始め、分泌量が増える夜間に眠気を誘うようになっています。そのため、就寝時に心地良く入眠するには、朝日で体内時計をセットし、「メラトニン」の分泌時間を就寝時に調整する必要があります。

おわりに

睡眠不足が当たり前、なんて生活を送っている人も少なく無い日本ですが、自分のケアとして、少しでも多く睡眠を取ることを心がけるべきかもしれませんね。良質な睡眠は、私達の体だけでなく、心の健康も保ってくれます。SNSや映画もとっても魅力的ですが、心地良い目覚めで始まる朝や、コンディションの良い自分で過ごすことも、とっても楽しいことです。ステイホーム期間を機に、睡眠や自分の健康と少し向き合ってみるのも悪くはありませんよね。

Molly
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寝る前はスマホを長時間見てしまうのですが、年齢も重ねてきたし、ちょっと気をつけないと、と反省しています…。良質な睡眠を心がけて、心身共に健やかでいたい!

参考文献

古代人は毎晩 神秘の世界を彷徨っていたのか

知識の宝庫!目がテン!ライブラリー「疲れの科学

アドバンテッジJOURNAL「【健康経営と睡眠】睡眠の質は心身の健康や生産性に直結する

Bauhutte「レム睡眠、ノンレム睡眠とは?違いを理解して良質な睡眠を取ろう!

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