何年経っても色褪せないラブコメディーと言えば『ブリジット・ジョーンズの日記』です。主人公のブリジットの等身大の女性像が共感を呼び、今でも世界中から愛されている名作と言えるでしょう。今回はそんな『ブリジット・ジョーンズの日記』の見所やセリフを、ストーリー順にご紹介。ロマンチックなサントラも登場するので、是非チェックしてみてくださいね!

Story
主人公は32歳独身のブリジット・ジョーンズ。年末に母が開いたターキー・カレー・パーティーに出席し、幼い頃に遊んだマーク・ダーシーと久々の再開を果たすも、何の進展も起きず。それどころか堅物のマークはおしゃべりなブリジットを煙たがる始末。そんなブリジットの新年の抱負は、良識のある素敵な男性に出会うこと。しかし新年早々、理想の男性とは正反対のプレイボーイの上司ダニエル・クリーヴァーと良い仲に…。さらにダニエルはマークと大学の同級生で、フィアンセを巡って争った犬猿の仲だと判明。やがてブリジットとダニエルの関係は、ダニエルの浮気によって破綻しますが、そこでブリジットにアプローチをかけたのは、なんとマーク。マークはパーティーでの失礼を謝り、ありのままのブリジットが好きだと告白をしたのです…。
Cast
監督 | シャロン・マグワイア |
原作 | ヘレン・フィールディング |
ブリジット・ジョーンズ | レネー・ゼルウィガー |
マーク・ダーシー | コリン・ファース |
ダニエル・クリーヴァー | ヒュー・グラント |
コリン・ジョーンズ | ジム・ブロードベント |
パメラ・ジョーンズ | ジェマ・ジョーンズ |
ジュード | シャーリー・ヘンダーソン |
トム | ジェイムズ・キャリス |
シャザー | サリー・フィリップス |
エピソード
ゼルウィガーの起用には批判も
当初ブリジット役には、ヘレナ・ボナム=カーターやレイチェル・ワイズやケイト・ウィンスレットなどの、名だたる英国女優が挙げられましたが、スケジュールの都合や若すぎるという理由で選ばれず。そして2年に及ぶリサーチを経て、ゼルウィガーの起用が決定。監督のマグワイアはゼルウィガーのコメディからシリアスな演技まで幅広くこなす才能に惚れ込んだそう。アメリカ人のゼルウィガーがイギリス人を演じることには議論も起こりましたが、その演技は驚異的に素晴らしく、高評価を獲得。グラントも初めはゼルウィガーの起用に批判的でしたが、彼女の素晴らしいイギリス女性の演技を見て感心したと言います。ちなみにゼルウィガーのブリティッシュ・アクセントは、エリザベス女王の妹であるマーガレット王女にそっくりなんだそう。

ファースはダーシー役から解放された
原作者フィールディングは、BBC版『高慢と偏見』でミスター・ダーシーを演じたファースに惚れ込み、ファースを基にしてマーク・ダーシーというキャラクターを作り上げました。そして劇中にも、『高慢と偏見』をベースとしたシーンが豊富に散りばめられています。さらに本作のシリーズ第1作、第2作の脚本を担当したアンドリュー・デイヴィスは、BBC版『高慢と偏見』の脚本家でもあります。またファースは、新たな作品でミスター・ダーシーをコメディ的にすることで、古典的なダーシーのイメージから解放されたそう。

ゼルウィガーは実際に出版社で働いた
ゼルウィガーは、出版社に勤めるブリジットを演じるために、ロンドンにある出版社の「Picador」で1ヶ月間実際に勤務しました。ブリジット・カベンディッシュと言う偽名を使って働き、ゼルウィガーの正体を知っていたのは上司のカミラ・エルワーシーだけでした。ゼルウィガーの働きぶりはとても良く、副編集長のマリア・リジェットはゼルウィガーを本当に雇うべきだとも思ったのだとか。ちなみにゼルウィガーは、当時ジム・キャリーと交際中で、職場のデスクには彼の写真を入れた額縁を飾っていたそう。

ストーリー順に見所とセリフをご紹介
↓ここからはネタバレを含む紹介です↓
正月のターキーカレーパーティー
物語は32歳独身のブリジットが実家に帰省し、母の催す正月恒例のターキー・カレー・パーティーに参加するところから始まります。そこには近所の人が大勢集まっていました。

ブリジットが家に到着した時に流れているのはPerry Como-『Magic Moments』
母は毎年ブリジットに独身男性を紹介するのがお決まり。そして今年は、実家が近く幼い頃に一緒に水遊びをしたマーク・ダーシーを紹介。彼は人権専門も弁護士で、日本人の妻と離婚したバツイチ。母に買ってもらったトナカイのセーターを着た堅物そうな男。

2人の会話を彩っているのはAndy Williams-『Can’t Take My Eyes Of Off You』
ブリジットの母は2人の会話を取り持とうとするもしらけた雰囲気。見かねた母の友人ウナが「ソースを漉さなきゃ」と呼びにくるも、母は「かき混ぜりゃ良いのよ」と空気が読めず。

この母の何気ないやり取り、少し先のシーンで再び登場します!これがまた最高なシーンなんだ…。そして「so…」とお互い言い合って気まずそうな2人。でもこのシーン、こちらも終盤シーンと重なるちょっとしたキュンポイント..。

ブリジットはペラペラと他愛のない話をしますが、マークは「何か食べよう」と素っ気なくどこかへ。さらにマークは自分の母に「デートなんか!おしゃべりで酒飲みでタバコプカプカの独身なんて」とブリジットの悪口。後ろに居合わせたブリジットはそれを耳にしてしまいます。気まずそうにするマークを他所に、ブリジットは聞こえなかったフリをして明るく振る舞いました。

これぞブリジット・ジョーンズ

すぐにでも状況を変えなきゃ、私の生涯の伴侶はワインのボトルになる。そしてデブ女の孤独な死。死後3週間後に犬に食べられた死体が見つかる。でなきゃ『危険な情事』のグレン・クローズ。

『危険な情事』でグレン・クローズは一夜を共にした男性を運命の人だと思い込み、付き纏う役を演じています…。
ブリジットは1人暮らしのロンドンへ戻り、ワインを片手にJamie O Nealの『All By Myself』を流して陶酔気味。独り身ならではの孤独と自由が感じられます。


このシーン大好き!『All By Myself』にノリノリで口パクして足まで使ったエアドラムやって…。このシーンを見るとブリジット・ジョーンズが始まったなと感じます!ちなみにこのシーンでブリジットは、アメリカのシットコム『フレイジャー』を鑑賞中。

ちなみにブリジットの居住地は原作ではノッティングヒルでしたが、映画では再開発が進み、若者に注目されていたサウスバンクに変更されました。通勤でブリジットが通るタワーブリッジは印象的。
ブリジットの新年の抱負
そしてブリジットは心機一転、新年の抱負を立てます。30代向けの悲しいFM音楽を聞かない、日記を付ける、10kgの減量、パンツは洗濯カゴへ入れる、良識のある男性を見つける…。そして特に注意すべきなのは、アル中で仕事人間で変態な男性に恋をしないこと。不運なことに、その全ての特徴に該当する男性、ダニエル・クリーヴァーはブリジットの上司。


エレベーターがチンッと開いて、ダニエルが出てきた瞬間はトキメキの最高潮…!甘すぎるマスクに何度見ても驚きます…笑
ダニエルの登場シーンで流れているのはAretha Franklin-『Respect』
しかしブリジットは、職場のクリスマスパーティーで泥酔してカラオケを熱唱する失態をダニエルに目撃されているので、今更関係に進展は無いだろうと考えていました。


ちなみにこの時ブリジットが歌っている歌はHarry Nilssonの『Without You』です。完全に出来上がってます…笑
ブリジットの大失敗
そして普段通りの仕事が始まります。ブリジットの職場にはおっぱいフェチのフィッツハーバードや、先輩だからとボス面をするパペーチュアなど、個性的な面々が揃っています。

フィッツハーバドは女性の胸を見る癖があり、Tits(おっぱい)と Pervert(変態)を合わせたティッツパーバードと呼ばれています…笑

そして日常的にブリジットの職場に電話をかけてくる親友のジュード。彼女は銀行勤めですが、いつもトイレに籠もって恋人の泣き言ばかり言っています。


これすごい!ジュード役のシャーリー・ヘンダーソンは、後にハリー・ポッターシリーズでトイレで泣いてる嘆きのマートルを演じていました!本作でもハリー・ポッターでもトイレで泣いてる…。
そしてジュードの電話の相手をしているところをダニエルに聞かれてしまい、慌てて電話の相手を英国評論家のF・R・リーヴィスということにします。しかしダニエルはリーヴィスが78年に死去していることを指摘。ブリジットは大焦り。

ダニエルのセクハラメール
ブリジットは友人を集め、キャリアの危機に対する緊急サミットを開催。

そんなの糞食らえよ。
リーヴィスなんかケツに突っ込んでろって言えば良い。
Fuck them. Fuck the lot of them. Tell them they stick fucking Leavis up their fucking arses.
とにかく口の悪い新聞記者の友人シャザーは強烈なアドバイス。


ちなみにこのシャザは、監督のマグワイアがモデルになっているそう。原作者のフィールディングとマグワイアは親友なので、話の中にマグワイアを登場させたみたい。素敵!
そして80年代にヒットソングを作ったゲイのトムと、銀行員のジュード。大して役に立つアドバイスもなく、ほぼ飲み会のサミットは終了。

翌日、ブリジットは仕事に遅刻。そんなブリジットを見て「どうやらF・I・リーヴィスが来たようだ」と呟くダニエル。ブリジットがばつの悪そうにデスクに座ると、ダニエルから重要事項とタイトル付けされたメールが届きます。失態続きのブリジットは覚悟をしてメールを開きますが、そこには「スカート履き忘れた? スカートは病欠?」セクハラ文が。拍子抜けしたブリジットは「病気なのは管理職の方では?」と反撃。新年早々恋をしてはいけない相手とやり取りをするのです。

そして理想の男性とは正反対のダニエルにかまっていないで、しっかりしようとブリジットが気持ちを切り替えるシーンで流れるのはPretendersの『Don’t Get Me Wrong』
ダニエルの急接近
理想とは正反対のダニエルに関わるまいとブリジットは気を引き締めます。そして翌日、ブリジットはスカートを強調しようとシースルーブラウスで出勤。ダニエルは「胸が魅力的」とメールを続けてきます。決意とは裏腹にブリジットは、ダニエルとの結婚式まで妄想してしまう始末。

そんなある日、ブリジットがダニエルと同じエレベーターに乗り合わせると、ダニエルは上司がいるにも関わらずブリジットのお尻に手置きました。これにはブリジットもビックリ。そして上司と別れると、ダニエルはブリジットを食事へ誘います。しかしブリジットはつれない素振り。


このブリジットの「Bye, Daniel!」って言う時のこの顔が最高!恋をしないなんて言っておいてめちゃくちゃ浮かれてる…笑
ダニエルとの危険な恋
翌日には出版社主催のフィッツハーバードの本の出版記念パーティーが開催されるので、ダニエルとの関係も進展しそうだと思ったブリジットは、またも友人達に相談。彼らはゴージャスで知的にキメて行けとアドバイス。特にシャザは、パーティーで誰かを紹介すると時には詳しく話すようにと具体的な助言をくれました。そしてブリジットは美容ケアと文学の勉強を開始。さらにセクシーに見せるために、下腹を引き締めるデカパンを履いていくことに。


セクシーな下着とデカパンで迷うブリジットが等身大すぎて好き!「Tricky. Very tricky」なんて切実なセリフもちょっと笑える…。このシーンで流れているのはThe Art Of Noiseの『Peter Gunn』
そして出版記念パーティー当日、ブリジットはインテリを気取って奮闘しますが、ドジをやって空回り。そんな中、ブリジットは弁護士仲間の義理でパーティーに出席していたマークと再会。ブリジットは前回のマークに失礼な態度を取られたのにも関わらず、同僚にマークのことを敏腕弁護士だと紹介しました。マークはなんだか嬉しそう。

一方のマークは大胆にも、同僚のナターシャに、幼い頃に裸で水遊びをした仲だとブリジットを紹介。驚くブリジットを他所に、遠くで作家と話すダニエルを見つけて睨みつけました。ダニエルもそれに気が付き気まずそうにします。

少し嬉しそうなマークの顔…!ちなみにこのシーンには、サルマン・ラシュディとジェフリー・アーチャーが本人役で出演しています。ラシュディがマーティン・エイミスの話をしているところに、ブリジットが知ったかぶりで入って恥をかきます。それからラシュディはブリジットとダニエルの両方にトイレの場所を聞かれていました…笑

ブリジットはトイレをToiletと言っていましたが、ダニエルはイギリス特有のトイレを濁して表すスラングlooを使用していたのも面白い。ケンブリッジ出身のダニエルは少しお上品なのかも?
そしてフィッツハーバードのスピーチの前の紹介を頼まれたブリジットは、舞台上へ。ブリジットはマイクの使い方が分からず大声でグダグダの紹介を始めます。

さらにフィッツハーバードの名前を、あだ名と言い間違えそうになる始末。そしてスピーチ後に落ち込むブリジット。ダニエルはそんなブリジットに優しく声をかけ、食事に誘いました。

そしてブリジットとダニエルはレストランへ。そこでダニエルは、マークとはケンブリッジの同級生で、以前マークにフィアンセを紹介したら取られてしまったと話します。ブリジットは思わず「汚い奴!退屈だし…」とマークの悪口。それから食後にダニエルはブリジットを自宅へ誘います。ブリジットは始めは断りますが、キスに流されて一夜を共にしてしまいます。


ダニエルがブリジットの履いていたデカパンを見て「Hello, Mummy!」というシーンには笑っちゃう…笑 そしてロマンチックなひと時を彩るのはDiana Ross & Marvin Gayeの『Stop, look, listen to your heart』です。
それから2人は交際を始め、ブリジットは有頂天。そんな幸せの最中、ブリジットの両親は別居を開始。母が父に愛想を尽かし、ショッピング番組のホストを務めているジュリアンのもとへ行ってしまったのです。さらに母はジュリアンの番組にアシスタントとしての出演も開始。


親の不仲が始まるシーンで、ブリジットは「1つの事が上手くいくと、別の方面が見事に崩れるのが普遍の真理」と言うのですが、「普遍の真理(It is a truth universally acknowledged)」は『高慢と偏見』の書き出しとしても有名。小さなオマージュになっています!さらに母がブリジットと別れるところで流れ出すのはThe Dramaticsの『Me And Mrs Jones』、まさにピッタリの曲!
週末の小旅行と悲劇
一方のブリジットは、ダニエルと週末の小旅行へ。2人は母の友人が開く仮装パーティーに、一緒に参加することにしたのです。ブリジットは、旅行にまで一緒に来てくれるダニエルは、本気で自分を愛しているに違いないと大喜び。


オープンカーをセクシーにふかすダニエルはイケメンすぎるんだな…。ふかし音を口パクするシーンは卒倒もの…。
そして田舎町のホテルへ到着すると、同じく仮装パーティーに参加するマークとナターシャも宿泊予定で、気まずい4人が揃ってしまいます。さらにホテルは、誰かの結婚式が行われるため他の客がおらず、ほぼ4人の貸し切り状態。 それでもブリジットとダニエルは湖でボートを漕いだり、旅行を満喫。湖の上でふざけた詩を朗読したりと、はしゃいで楽しみます。


湖に落ちてずぶ濡れのグラントの色気よ…!ブリジットはボートを漕ぎながら「Season of mist and mellow fruitlessness!(霧の季節よ、そして実りなき季節の甘美さ!)」と言うのですが、これはジョン・キーツの『秋によせて(To Autumn)』の一説「Season of mist and mellow fruitfulness.(霧の季節、そしてみ実りある季節の甘美さよ)」を捩ったパロディ。
その晩ブリジットはダニエルに「私を愛してる?」と尋ねますが、ダニエルははぐらかします。さらに翌日、ダニエルは会議の準備があるからロンドンに帰ると言い出しました。ブリジットは仕方なく、バニーガールのコスプレをして1人でパーティー会場へ。しかし出席者は全員普段着。なんと主催者である母の友人が、普通のパーティーに変更したことをブリジットに連絡しなかったのです。ブリジットは大恥。そして両親は相変わらず冷め切った状態。

ちなみにブリジットがパーティーにで恥をかくシーンでは、Julie Londonの『Fly Me To The Moon』が流れます。イントロが印象的です。

ブリジットの他にも、ちらほら仮装した人達が出てくる…笑

そしてブリジットはロンドンへ戻りダニエルの家へ。仕事の後に食事に行こうと言うダニエルですが、異変を感じたブリジットが寝室のバスルームを開くと、そこにはダニエルの本命が。

ブリジットはショックを受け、帰宅後も落ち込んで過ごしました。さらにダニエルは本命の彼女と婚約。ブリジットはさらに落ち込みます。

本命の彼女はNY支店で働くララ。ちなみに彼女の衝撃の登場シーンで、彼女が持っている冊子には「Pemberley Press」というダニエルの出版社名が。そしてこの「Pemberley Press」は『高慢と偏見』のミスター・ダーシーの邸宅の名前でもあるのです!
失恋からの復活はウォッカとチャカ・カーン
落ち込んだブリジットは家中の食べ物を食べ尽くし、自棄気味になるも、ウォッカとChaka Khanの『I’m Every Woman』で見事に復活を遂げます。
そして心機一転、新しい仕事探しを開始。目を付けたTV業界の仕事を獲得し、出版社からの転職を決めます。報告を受けたダニエルが引き留めるも、ブリジットは断固として拒否。

ここで働くくらいなら、サダム・フセインのお尻を拭くわ。

その痛快な態度に職場の一同はうっとり。このセリフの後に再び流れるのは、ダニエルの登場シーンでも流れたAretha Franklin-『Respect』です。


サダム・フセインに関しては当時中東の諸悪の象徴で、風刺の格好のネタだったみたい…。でもこのセリフには賛否両論ある様子。
そして新たな仕事はTVレポーター。早速消防士のインタビューに向かいます。消防署のポールからミニスカートで降りてくる登場を予定していましたが、ディレクターの指示ミスで、ブリジットはポールからカメラに向かって大滑降。ブリジットのお尻が全国放送されてしまいます。


最高。これで私は全国の笑い者!
マーク・ダーシーの突然の告白
そしてブリジットは、悪運続きで忘れかけていた食事会へ。自分以外は夫婦やカップルで、そこにはナターシャとマークも来ていました。そこでブリジットはダニエルと別れたことを話すと、友人夫婦は身を固めろと小言を言ってきますが、ダニエルが助け舟を出してくれます。


ブリジットの会話にすかさず助け舟を出すマークが最高…!さりげないアプローチがもう始まっていますね!それにしてもこんな肩身の狭い最悪なパーティー、私だったら絶対行かないな…。

そしてブリジットの帰り際、マークは「消防署の中継楽しんだよ」と声をかけます。ブリジットは思わず「会うたびに”君はバカだ”と言われている気がする」と苛立ちながら答えました。するとマークは慌てて謝り、マークなりにブリジットへ思いを伝え始めたのです。

確かにバカげた部分はある。君のお母さんは変わっているし、人前でのスピーチは最悪。頭に浮かんだことも何も考えずにすぐに言いがちだ。だけどカレー・パーティーでの僕は驚くほど礼儀を欠いていた。母がくれたトナカイのセーターなんか着て。とにかく…言おうとしているのは…それでも君がとても好きだ。

タバコを吸って、酒を飲んで、バカげた母親がいても?

それでも好きだ、ありのままの君が。
I like you very much just as you are.

ブリジットは真剣なマークの告白に驚きます。そしてマークは気恥ずかしそうに「おやすみ」と言ってパーティーへ戻りました。ブリジットは友人達に相談しながらも、案外満更でもなさそう。このシーンを彩るのはVan Morrison-『Someone Like You』
ブリジットの大活躍
そして11月9日、ブリジットの33歳の誕生日。ブリジットは世間で注目を集める事件の被告人のインタビューへ。意気揚々と裁判所へ向かったブリジットと取材班ですが、ブリジットがタバコを買いに売店へ行った隙に、被告が帰ってしまう事態が発生。すると偶然売店に居合わせたマークは、2人の被告人の弁護士だと言います。そしてインタビューはマークの制限で止められていましたが、なんとマークは困ったブリジットのためにインタビューの時間を設けてくれたのです。

こう言うすごい力で、サラッとブリジットを助けちゃう紳士なマークに胸キュンが止まらんです…。

そしてインタビューは無事成功し、ブリジットは局長に褒められる非常に良い結果に。仕事終えたブリジットは誕生会のための買い物を済ませ、上機嫌で帰宅。ここで流れるのはCraig David & Robbie Craig–『Woman Trouble』
ブリジットの誕生会
そしてその晩、ブリジットは友人を招いて誕生会を開催。友人が来る前にディナーを作ろうと奮闘しますが、料理が不得意なブリジットは、キッチンも料理もめちゃくちゃにしてしまいます。

そんな中、今日の大成功のインタビューのお祝いにと、マークがワインを片手にやって来ました。ブリジットは予期せぬマークの訪問に嬉しそう。


ファースって賢い猛禽類みたいな顔していてすごく好き…(?)
そしてブリジットの悲惨な料理を見兼ねたマークは、ディナー作りの手伝いまで始めるのです。2人は仲良くクッキングを開始。ブリジットは「ソースを漉さなきゃ」と、2人が再会したカレーパーティーでの母のやりとりを、ふざけて言い始めました。すると「混ぜりゃ良いのよ、ウナ」とマークも答え、2人は笑い合う良い雰囲気に。


出会いは最悪だったけどちゃんと覚えているの…可愛い….!
2人のそんな甘い一時を彩るのはShelby Lynneの『Dreamsome』です。
するとそこへブリジットの友人達が到着。マークがいるのに少し驚くも、一緒にパーティーを始めます。そしてブリジットの悲惨な料理を食べながら、友人達は「料理は下手でも愛してる、ありのままのブリジットに!」と乾杯の音頭を取りました。マークの告白文句を捩った乾杯にブリジットはビックリ。友人達は、良い雰囲気のマークとブリジットを優しく見守りました。

しかしそこへ、ダニエルがワインを片手に訪問。恋人と別れたからやり直したいと、ブリジットに復縁を迫ります。「君を忘れられなかった」と甘い言葉を言うダニエルにブリジットは流されかけますが、マークが帰ると言い出して我に帰ります。ブリジットはマークを引き留めますが、マークは出て行ってしまいました。ダニエルは「なんであんなアホたれがここにいたんだか」と悪態を付きます。するとマークは再び戻って来てダニエルを外へ呼び出し、強烈なパンチをお見舞い。さらに向いのレストランまで巻き込んだ大喧嘩に発展し、ブリジットと友人達も大慌て!


当初はセクシーな喧嘩シーンになる予定でしたが、ファースとグラントに合わないと言うことで、はちゃめちゃな喧嘩になったそう…笑 しかし窓ガラスを突き破ったのはかなり笑えた…。
喧嘩シーンで流れていたのはThe Weather Girlsの『It’s Raining Men』
クタクタの2人は喧嘩を終わらせようとしますが、ダニエルの捨て台詞の「クソやろう」にキレたマークは、ダニエルに渾身のラストパンチ。ブリジットはやり過ぎだと感じ、マークに怒ります。するとマークは1人で帰ってしまいました。そして倒れていたダニエルは起き上がり、再びブリジットに「君とダメなら、誰とでもダメだ」と復縁を持ちかけます。しかしブリジットは「そんな自信のない人にこれからの人生を賭けられない」と拒否。

クリスマスに判明した真実
そしてクリスマス。ミンスパイを42個平らげたブリジットは実家で父と過ごしていました。すると出て行った母が帰って来て、父にやり直したいと言います。父は母を抱きしめて無事仲直り。ブリジットは陰から嬉しそうな、どこか寂しそうな表情で2人を見つめました。


自分は恋人も告白してくれた人も失ったわけですしね…そりゃ両親がちょっと羨ましくなるのも頷けます。ちなみにミンスパイは、ドライフルーツや細かく切られた肉が入った小ぶりのパイで、イギリスのクリスマス焼き菓子。映画の字幕ではミートパイと表記されていますが、多分違っているかも…。

そして翌日、マークの両親のダーシー夫妻のルビー婚パーティーが開催。招待されたブリジットの両親は朝から身支度を整え、ブリジットにも早く着替えるように言いました。しかしブリジットはマークをイカれた男だと勘違いしているので、パーティーへの出席を拒否。


このシーンで母が「マークは以前独身よ」と言いながら、人差し指で鼻の横をトントンと叩く仕草を見せ、ブリジットも「私は行かないわ」と同じジェスチャーで返します。このジェスチャーは「準備完了」や「内密に」と言う意味を持っているそうで、まだ独身のマークの話をここだけの話、と言う感じで表現したのかも。
すると母は、マークが妻を結婚式の介添え人に取られたのもクリスマスだったと話し、ブリジットは愕然。ダニエルの話は逆だったのです。ブリジットは慌てて準備をしてパーティーへ。

ブリジットのかなり飛ばした運転とDiana Rossの『Ain’t No Mountain High Enough』がマッチするラブコメらしいシーンです。
そしてブリジットはパーティー会場にいたマークに、ダニエルから逆の話を聞いていたと明かし、ひどい態度をとったことを謝りました。そしてマークを物陰へ呼び出し、マークがブリジットに以前した告白に擬えた告白をするのです。

覚えてる?あなたはありのままの私が好きだと言ってくれた。同じ言葉をあなたに言いたい。お母さんが買ったダサいタイを締めているあなた、お高く構えて気に触ることを言うし、そのもみあげの長さも考え直すべきだと思う。でもあなたは良い人で、私は好き。もし気が向いたら訪ねて来て。

マークはブリジットの告白に驚きながらも、パーティーの乾杯が始まったので戻って行ってしまいました。そして乾杯のスピーチで、マークの父がマークがナターシャと一緒にNYの事務所に栄転することを発表。ブリジットはショックを受けます。さらに父は有能なナターシャを気に入っているようで「いつか法的に我が家の一員になるかもしれません」と2人の結婚を示唆。ブリジットは思わず「ダメよ!」と声を上げ、会場は静まり返ります。

だって…こんな残念なこと…英国の損失ですわ、優秀な頭脳が流出するなんて…この英国に住む私達が、優秀な人材2人を失うのです。実際には1人ですけど…。
としどろもどろにスピーチですがマークはちゃんと聞いていました。

そして我に帰ったブリジットはパーティーを足早に去り、落ち込んだ日々を過ごします。


落ち込むブリジットの日々に流れるのはGabrielleの『Out Of Reach』です。とても優しい曲調で静かに癒えていくブリジットの心が感じられます。
新しい日記帳とマーク
そしてブリジットを見兼ねた友人達は、元気付けようと週末のパリ旅行を計画。急いでパッキングを済ませ、出発しようと言います。友人達は先に車に乗り込み、ブリジットが戸締りをしようとしていると、なんと背後からマークがやって来るのです。

マークはNYから戻り、事務所の移動もやめたと言います。そしてブリジットにキスをしようとした所で、車に乗っていた友人達がひやかしました。パリに行くのをやめると言うブリジットを、「車も満員」と友人達も笑顔で見送ります。

シャザがマークとブリジットをうっとりと眺めていて、すごく素敵だなと思いました。心から祝福している感じがしてシャザのことすごく好きになったの…!

そしてマークとブリジットは家の中へ。ブリジットはマークに少し待つように伝え、今度こそセクシーな下着に着替えに行きます。


このシーンでマークはしきりにブリジットにキスをしようとしているのですが、本当に反則的に可愛い…!まつ毛…!長…!
1人リビングに残されたマークは、テーブルの上に開かれたままのブリジットの日記を見てしまいます。そこには「マークなんか大っ嫌い」や「退屈だし奥さんが逃げ出すのも当然」と言うマークへの愚痴が。それを見たマークはブリジットの家を出て行ってしまいます。

ブリジットはそれに気が付き、窓からマークを呼びますが、マークは歩いて行ってしまいます。不思議に思ったブリジットがリビングに戻ると、そこには開かれた日記が。「大変!」とブリジットは下着姿にカーディガンを羽織っただけの、とんでもない姿でマークを追いかけ始めます。

「Double Shit!」と慌てるブリジットがちょっと面白い!それから下着にカーディガンのブリジットに「幸運を!クレイジーガール!」と言う通りすがりのおじいさんも最高…笑 ちなみにこのシーンでもDiana Rossの『Ain’t No Mountain High Enough』が流れます。ブリジットがマークに向かって走っている時、この曲が流れるのでしょうかね…超素敵…涙

そして雪道をダッシュして、店から出て来たマークに追いついたブリジット。「日記なんて誰のもいい加減」とブリジットは必死に謝り、マークは「知ってる」と答え、「出直すために、君に新しい日記を買った」と懐から新しい日記を取り出します。ブリジットは安心した笑みを浮かべマークに抱きつき、2人はようやうキス。通行人は異様な2人に注目していますが、2人はそんなのお構いなし。ロマンチックな雪景色の街角で、映画は幕を閉じます。


ラストシーンを彩るのは再び登場のVan Morrison-『Someone Like You』です。このシーンの最大の個人的キュンポイントは、マークが自分のコートの中にブリジットをしまっている所…!紳士…!そしてEDにはダニエルが登場して、相変わらず女を取っ替え引っ替えしている様子がわかるのは、これまた笑える!
そしてエンディングを飾るのはRobbie Williams–『Have You Met Miss Jones?』
おわりに
いかがでしたでしょうか?私はクリスマスや年初めなど、特にブリジットにあいたくなります。不運続きでも、一生懸命幸せを見つけようとする姿が大好きなのです。昨今では、恋人がいないと幸せになれない様なストーリーが時代遅れだとも言われていますが、ブリジットはマークやダニエルがいなくても、しっかり幸せを掴める人間だと私は思っています。あくまで恋は人生を違う味わいにするためのスパイス。マークとダニエルは正反対で楽しいですね。笑

参考文献
11 Single Facts About Bridget Jones’s Diary-Mental Floss
女の幸せって? 代表作『ブリジット・ジョーンズの日記』。【レネー・ゼルウィガーの半生vol.2】-Vogue
37 Little Known Facts About Bridget Jones’s Diary-Factinate
リチャード・カーティスの引退を惜しんで-ぴあ映画生活
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